BirthControl―女達の戦い―
唯一義務付けられたのは、70歳以上の高齢者だけでの居住は認められず、きちんと収入のある家庭に同居しなくてはならないということだった。


どうしても見つからない場合は、OldHomeで受け入れることも出来る。


まだまだ働いたり家事なども出来る高齢者には、核家族化で希薄になった大家族の良さを取り入れようという政策だ。


子供に支払われていた給付金は形を変えて、高齢者を受け入れた家庭に支給されるようになった。


少子化対策支援法と比べたら微々たるものだったけれど、子供を保育園に預けたり、家政婦を雇うくらいの支給はされているようだ。




空気の入れ換えが終わり、窓をそっと閉める。


その時、再び桜の蕾が目に入った。


あの蕾が花開き満開になる頃、この施設ももっともっと変わっていくだろう。


女性の力はさらに必要となり、男性には母性を持って接していかなければならない。


打たれ弱い男性をやる気にさせるには女性の力が必要不可欠だ。


洋一を見ていてもわかる。


彼に依存して寄りかかっていてはダメだったんだと言うことに……


男を成長させるには自立した女性がそばにいてやらなくてはならない。


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