TABOO Ⅹ~優しくて冷たい雨音~


「じゃあ」


その声に我に返ると、目の前にバスが停車するところだった。


あんな事をしといてあっさりと背を向けた彼が、ステップに足を掛けたまま振り返った。


再び跳ね上がる心臓を必死で抑えようとしてるあたしに、


「もう止んだみたいですよ、雨」


そう言って笑った。


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