TABOO Ⅹ~優しくて冷たい雨音~
バスルームのドアが開く音に顔を向けると、「起きてた?」と、彼がベッドに近付いてきた。
「ん…雨が降ってるのかと思って…」
一瞬不思議そうな顔をしたけど、「ああ、シャワーか」と気付いて笑った。
「好きだよな、雨音」
伸びてきた彼の指が、クシャクシャになったあたしの前髪を優しく梳く。
「うん。好き」
「妬けるな」
「雨に?」
思わず笑ってしまった声は、唇に塞がれあの日の雨音と一緒に消えていった。
To be continued…
