『さよなら』から始めよう
長い年月
過ぎ去った馴れ合いの日々
”さよなら”を告げず
出ていった女は
煙草が切れたと
コンビニに出掛け
新商品のスイーツを
レジ袋に詰め
ふらりと戻ってきそうで
実感が湧かない
唐突な別れ話が
余りにも突然過ぎて
脳からの指令回線が
脱線している
目覚めて
女の寝顔を揺り起こし
悪夢を告げれば
「何言ってるのよ」と
不機嫌に布団を
巻き取りそうだ
夢なら覚めて欲しい
現実