Over Line~君と出会うために
「順平ちゃん、自分を基準に考えるのやめなよ。皆が皆、順平ちゃんみたいに家にいる時はテレビつけっぱなし、っていう生活をしてないと思うよ。俺だって、普段はテレビなんか見ないし。俺が見るのはアニメだけだし、うちの液晶はアニメとゲームしか映さないもん……」
「お前こそ、その基準はおかしいぞ。それから、もん、とか言うな。気持ち悪い」
天宮の突っ込みをスルーして、貴樹はぼんやりと先を続けた。
「こういう仕事してるから、別にテレビを見なくたってある程度のことはわかっているけど、考えてみたら、テレビを見ないでも平気で生活している人間って結構いると思うよ。俺だって、自分が関わっていなきゃろくに知らないって言えるし。だってさ、考えてみてよ、順平ちゃん。俺がテレビに出る時って、REAL MODEの……って形容詞がつくわけでしょ。興味がなければ、俺の名前なんか覚えてないと思うんだよね。REAL MODEっていう名前は知っているかもしれないけど、ただそれだけだ。興味がない人にとっては、REAL MODEがバンドじゃなくて製作集団の総称で、実質的に表に出ているのは俺だけしかいない、他のメンバーはほぼ裏方に徹しているんだってこと、どうだっていいことでしょ?」
「まあ、それは確かにそうなんだが」
と、天宮は溜め息をつく。
「別に、テレビじゃなくたって、お前の露出はそこかしこにあるだろうが」
雑誌だとか、CMだとか。
「お前こそ、その基準はおかしいぞ。それから、もん、とか言うな。気持ち悪い」
天宮の突っ込みをスルーして、貴樹はぼんやりと先を続けた。
「こういう仕事してるから、別にテレビを見なくたってある程度のことはわかっているけど、考えてみたら、テレビを見ないでも平気で生活している人間って結構いると思うよ。俺だって、自分が関わっていなきゃろくに知らないって言えるし。だってさ、考えてみてよ、順平ちゃん。俺がテレビに出る時って、REAL MODEの……って形容詞がつくわけでしょ。興味がなければ、俺の名前なんか覚えてないと思うんだよね。REAL MODEっていう名前は知っているかもしれないけど、ただそれだけだ。興味がない人にとっては、REAL MODEがバンドじゃなくて製作集団の総称で、実質的に表に出ているのは俺だけしかいない、他のメンバーはほぼ裏方に徹しているんだってこと、どうだっていいことでしょ?」
「まあ、それは確かにそうなんだが」
と、天宮は溜め息をつく。
「別に、テレビじゃなくたって、お前の露出はそこかしこにあるだろうが」
雑誌だとか、CMだとか。