Over Line~君と出会うために
「REAL MODEの東城貴樹のイメージとしてどうか、って話になると、そりゃまあ、イメージ総崩れだろうとは思うね。誰だって、憧れのミュージシャンがエロゲープレイしてるのなんか想像したくねえだろ。マニアックな趣味をお持ちなら別だけどさ。でも、アニメとかエロゲーとか好きな部分も全部ひっくるめて、それが東城貴樹だってのも事実だと思うわけだ。栗ちゃんの言うことは正しい。でも、正しいことが素晴らしいとは限らない。まあ、お前に勇気があるなら、押し切っちゃうのもひとつの手じゃないのか? そういう事実をばらしたところで、減るファンってのは少ないと俺は考えてる。そんなのは貴樹の一面であって、アニメが好きだからってお前の歌の魅力が半減するわけでも何でもないからな。その程度のことで離れて行くようなファンってのは、元々、そんなにお前の歌に思い入れなんかないんだよ。離れる口実に使うだけだね」
「順平ちゃん、大胆なこと言うなぁ……」
「ま、これは、俺個人の意見だけどね。言っておくが、これは、REAL MODEの東城貴樹という商品ブランドとしてのお前を壊してもいいって意味じゃないからな。その程度のことでは、壊れやしないと俺は思っているだけのことだ。ツアーを中止にしたいだの何だのと寝言をほざくよりは、よっぽど可愛いね。生放送のラジオとか、取り返しのつかない場所で言っちゃうのも、ありだと思うぞ。ブースの外で、栗ちゃんが卒倒するかもしれないがな」
別に、そんな天宮の言葉がきっかけとなったわけではなかった。
おそらく、たまたま、だったのだろうと思う。
ラジオで読んだメールが、貴樹にとって何とも腹立たしい内容だったのは、偶然の為せる結果だ。
内容としては、他愛もない相談メールだった。そういうコーナーがあるから、リスナーからの相談事を面白おかしく読み上げて、それに対しての対処を貴樹が喋る。割りと人気のコーナーだ。恋愛相談も多く、その時に読んだメールもそういう内容だった。
話題は、付き合っている恋人のこと。
付き合っている恋人はアニメが好きで、この頃は深夜アニメの『スイートキューティ』にはまっている。くだらないアニメを見た挙げ句にそのキャラを可愛いと褒めるなんて許せない、こんな気持ちの悪いオタクをどうにかする方法はありませんか、というものだった。
「順平ちゃん、大胆なこと言うなぁ……」
「ま、これは、俺個人の意見だけどね。言っておくが、これは、REAL MODEの東城貴樹という商品ブランドとしてのお前を壊してもいいって意味じゃないからな。その程度のことでは、壊れやしないと俺は思っているだけのことだ。ツアーを中止にしたいだの何だのと寝言をほざくよりは、よっぽど可愛いね。生放送のラジオとか、取り返しのつかない場所で言っちゃうのも、ありだと思うぞ。ブースの外で、栗ちゃんが卒倒するかもしれないがな」
別に、そんな天宮の言葉がきっかけとなったわけではなかった。
おそらく、たまたま、だったのだろうと思う。
ラジオで読んだメールが、貴樹にとって何とも腹立たしい内容だったのは、偶然の為せる結果だ。
内容としては、他愛もない相談メールだった。そういうコーナーがあるから、リスナーからの相談事を面白おかしく読み上げて、それに対しての対処を貴樹が喋る。割りと人気のコーナーだ。恋愛相談も多く、その時に読んだメールもそういう内容だった。
話題は、付き合っている恋人のこと。
付き合っている恋人はアニメが好きで、この頃は深夜アニメの『スイートキューティ』にはまっている。くだらないアニメを見た挙げ句にそのキャラを可愛いと褒めるなんて許せない、こんな気持ちの悪いオタクをどうにかする方法はありませんか、というものだった。