Over Line~君と出会うために
「お前、バカじゃないのか?」
頭に血が上ってしまっての言動だったとは言え、自分で引き起こしてしまった事態に、貴樹は地の底まで落ち込んでいた。軽はずみな発言がこんな事態を引き起こすなんて、思ってもみなかったのである。
それは、目に見えてファンが減ったとか、抗議の手紙や電話が殺到して対処に追われたとか、そういう類のものではない。あの放送以降、連日のように事務所へと届けられるプレゼント攻撃に眩暈がしていたのである。
その状況を見たマネージャーの栗原は、呆れてバカだと言い放った。諸悪の根源と言っても過言ではない天宮までもが、そんな態度だ。それを聞いた貴樹としては、そのまま地の果てまで逃亡してしまいたいような強迫観念に駆られてたまらない。
「……なんつーか、貴樹のファンってスゴイのな。あれ聞いてドン引きするかと思いきや、そうじゃないってのがすごい」
「……もう言わないで」
天宮の言葉に力なく答え、貴樹は溜め息をついた。
頭に血が上ってしまっての言動だったとは言え、自分で引き起こしてしまった事態に、貴樹は地の底まで落ち込んでいた。軽はずみな発言がこんな事態を引き起こすなんて、思ってもみなかったのである。
それは、目に見えてファンが減ったとか、抗議の手紙や電話が殺到して対処に追われたとか、そういう類のものではない。あの放送以降、連日のように事務所へと届けられるプレゼント攻撃に眩暈がしていたのである。
その状況を見たマネージャーの栗原は、呆れてバカだと言い放った。諸悪の根源と言っても過言ではない天宮までもが、そんな態度だ。それを聞いた貴樹としては、そのまま地の果てまで逃亡してしまいたいような強迫観念に駆られてたまらない。
「……なんつーか、貴樹のファンってスゴイのな。あれ聞いてドン引きするかと思いきや、そうじゃないってのがすごい」
「……もう言わないで」
天宮の言葉に力なく答え、貴樹は溜め息をついた。