Over Line~君と出会うために
 見てみると、彩からのメールが来ていた。珍しくパソコンからのアドレスで、不思議に思いながらもそれを開く。
 そこにあったのは、たった一言だけのメール。
 嬉しくて、それでいて、切ない。そのメールの希望通りには絶対にできないことを、貴樹自身が一番よくわかっていたからだ。
 会いたい。その想いは、貴樹だって同じだ。同じことを彩が思ってくれていたことは嬉しい。けれど、今、会いに行くことなんてできるはずもない。
 貴樹がいるのは、ツアー先のホテルなのだ。明日の朝には、また、飛行機で別の地方へ移動する。彩に会えるとすれば、次に東京に戻った時に無理やり時間をひねり出すしかない。
 起き上がって時計とメールの受信時刻を確かめる。まだ、寝るには少し早い時間で、メールが来てからそれほど経っていない。起きているはずだと思い、番号を呼び出して発信を押す。
 ほとんど待たされることもなく、彩が応答した。
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