Over Line~君と出会うために
「こんなことを言いたいわけじゃないが、金が動いているんだよ。それに、お前のことを待っている人は、たくさんいる。お前は東城貴樹っていう個人かもしれないけど、REAL MODEの顔でもある。それは、絶対に忘れちゃならないお前の大事な仕事だろう」
「……ごめんなさい」
 いつもは茶化した物言いが多い天宮が、いつになく厳しい顔で真剣にそう告げる。事前に栗原から何か言われたのかもしれないとは思ったけれど、栗原に言われるよりも素直に聞ける気がするのは、栗原との距離感よりも天宮との方が近いからだろう。それに、貴樹は天宮のことを尊敬している。いろいろと問題大有りの人だが、その才能だけは本物だと思うからだ。
「わかればいいの、わかれば。どうせ、恋人だって昼間から家にいるとは限らないんだろ?」
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