Over Line~君と出会うために
 しばらくぼんやりと見るとはなしに画面を見ていると、急に自分の顔がアップで映った。しばらく前から流れている、シャンプーのCMだった。
 思わず慌ててテレビを消してから、貴樹は溜め息をついた。別に、テレビに映る自分を見て今更はしゃいだり驚いたりはしないが、好んで見ていたいものでもない。
「……寝ようかなぁ」
 薬のせいなのか、妙に眠い。身体のだるさよりも、瞼が落ちてきそうなほどの強烈な眠気の方が辛い。この状況で睡魔に勝てと言うのは、少々無理な相談だろう。
 眠ってしまっては考えも纏まらない、と思うのに、抗えそうもなかった。
「寝ちゃおう。うん、そうしよう」
 貴樹は一人つぶやくと、テレビを消して勝手にベッドにもぐり込む。しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
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