Over Line~君と出会うために
本当の自分を、見て欲しい。自分が好きでたまらない場所を、命を懸けているとまで言われるライブを、彼女にも共有して欲しかった。
それは、賭けだ。
正直、怖い。もし、失望されてしまったらと考えると、震えそうなほどに。それでも、これ以上は隠しておけないし、隠しておきたくない。何よりも、彩に自分を見て欲しかった。REAL MODEの東城貴樹という、もう一人の自分を。そして、確かにそれも貴樹自身であるということを、認めて欲しかった。
しばらく出て行くのが嫌でぐずぐずしていたものの、本格的に時間がギリギリになってきたことに気づいて、貴樹は渋々ながらも立ち上がった。
起きてくれないかなー、と、尚も未練がましく彩を見て、かと言って寝ているのを邪魔するまでの度胸はなくて、額にそっとキスをするだけに留めた。
「……ごめん。起きたら、怒るよね」
ずっとここにいたいのが本音だけれど、それをしてしまったら自分で自分が許せなくなる。
だから、貴樹は彼女の眠りを妨げないように、足音を立てないように部屋から出た。
目を覚ました彩は、貴樹がいないことに驚いた。こんなタイミングで勝手に帰るなんて、と少しむっとしたが、置いてあった手紙に気づくと、その評価を少し変えた。
彼には彼の事情があるのだと、わかってしまったからだった。
それは、賭けだ。
正直、怖い。もし、失望されてしまったらと考えると、震えそうなほどに。それでも、これ以上は隠しておけないし、隠しておきたくない。何よりも、彩に自分を見て欲しかった。REAL MODEの東城貴樹という、もう一人の自分を。そして、確かにそれも貴樹自身であるということを、認めて欲しかった。
しばらく出て行くのが嫌でぐずぐずしていたものの、本格的に時間がギリギリになってきたことに気づいて、貴樹は渋々ながらも立ち上がった。
起きてくれないかなー、と、尚も未練がましく彩を見て、かと言って寝ているのを邪魔するまでの度胸はなくて、額にそっとキスをするだけに留めた。
「……ごめん。起きたら、怒るよね」
ずっとここにいたいのが本音だけれど、それをしてしまったら自分で自分が許せなくなる。
だから、貴樹は彼女の眠りを妨げないように、足音を立てないように部屋から出た。
目を覚ました彩は、貴樹がいないことに驚いた。こんなタイミングで勝手に帰るなんて、と少しむっとしたが、置いてあった手紙に気づくと、その評価を少し変えた。
彼には彼の事情があるのだと、わかってしまったからだった。