Over Line~君と出会うために
『彩へ

 本当は、起きるまで待っていたかったけど、早い時間から仕事が入っているので今日は帰ります。俺はいいけど、セッティングをしてくれている他の人たちに迷惑がかかるから。
 そういうのは、仕事をする身としてしてはならないと、俺は思っているから。
 俺に言いたいことは、いっぱいあると思う。俺も、彩に言わなければならないことがある。
 言えなかったことがあるのは、信頼していないとか、そういうのじゃないです。俺が、臆病だっただけです。
 近いうちに全部話そうと思っています。だから、今だけ、許して下さい。

 一緒に置いてあるチケットは、彩にどうしても見てもらいたいものです。
 俺は、彩と、その時間と場所を共有したい。そう思っています。
 もし、この日に来てくれるのなら、先に会場に入って待っていて下さい。
 開演時刻には、絶対に行くから。
 
 追伸
 もし可能なら、ミサカ先生も誘ってください!

 貴樹』

 
 最後の一文だけ、余計だった。ある意味、貴樹らしいと言えば、そうなのかもしれなかったけれど。
< 96 / 119 >

この作品をシェア

pagetop