ひだまりHoney
何か言いたそうな顔を向けられて、叱られている様な気分になる。
私は慌てて言葉を追加した。
「の、名刺が……です」
「俺より、晃の方が名刺を捌いてるよ」
ふふっと笑ってくれたことに、妙にホッとした。
「あの……私も派遣終了の際には、頑張ったご褒美に、名刺頂きたいです」
言って気がついた。
私はきっと、紺野さんから名刺をもらっていた女性達がちょっとだけ羨ましかったんだろう。
「俺の名刺は、何の御利益も無いぞ? 晃のもらえよ」
「いえ。紺野さんのがいいです」
「えっ」
「頂けたら……持っていたら、これからも頑張れそうな気がします……仕事ももちろんですけど、今までの自分からも一歩踏み出せる力をもらえるような」