ひだまりHoney
そっと胸元を手で抑え、言葉を並べた後……またハッとする。
何を口走っているのだろうか。
紺野さんのが良いとか……これでは愛の告白だ。
見上げれば案の定、紺野さんは難しい顔で私を見下ろしていた。
今の私の言葉の意味を、真剣に考えている顔だ。
「ふっ、深い意味は有りませんから!」
足下へと、紺野さんはおもむろに荷物を降ろした。
「はい。今あげる」
そして彼は小さな白い紙を差し出してきた。
「今、くれるんですか?」
「うん」
「くれるってことは、火曜日付で解雇されるんですか?」
「そんな訳あるか!」
震える手で受け取れば、紺野さんが真剣な顔になる。
「今、ここから頑張れってこと」