ひだまりHoney
周囲のテーブルで休憩をとっている人たちも、ちらちらと二人に目を向けてはいるが、決してその近くに立ち入ろうとしない。
「あれ……珠洲ちゃん?」
魅入られ立ち尽くしていた私に、美都里さんが気がついた。
あまりにも不自然だったのだろうか。彼女は怪訝そうに眉根を寄せた。
「あぁ、珠洲さんもどうぞ休憩に……って、晴暉に言われたからここにいるのですよね?」
「はい。ついさっきそこで」
「どうぞ席空いていますよ」
「……あ、はい。失礼します」
二人の空間に入ることに気がひけたけれども、私に向かって美都里さんも大田原さんも誘うような笑みを浮かべているため、重い足を少しずつ動かした。
「何か飲みますか? 小銭ありますから、どうぞお好きな物を仰ってください」