ひだまりHoney

「もしかして、大田原さんのこと好きだったりする? 私がツーショットに持ち込んだから。ちょっとムッとした?」
「えぇえっ!?」

思わず大きな声を出してしまい、私は口を手で塞いだ。

美都里さんの鋭い視線に、口を押さえたまま小刻みに首を振る。

横目で大田原さんを見れば、彼は窓に顔を向けたまま通話中だった。

「そんな大声出るんだったら、正直に気持ちを言いなさいよ」

私は更に細かく首を振る。でも美都里さんは私の心中を探るかのように、更に顔を近づけてきた。

「大田原さん、格好いいって言ってたじゃない」
「もう、美都里さん! それ忘れて下さい……ただ私は、美都里さんと大田原さんが一緒に笑ってる姿を遠くから見て、お似合いだなって見とれてただけです。すごく絵になってるって言うか。高そうな絵っていうか」
「えっ!?」

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