ひだまりHoney

大田原さんはふふっと笑い、真っ赤な顔をしている美都里さんを解放する。

「お疲れ様です。朝早く会社を出たのに、結構時間がかかりましたね」

松戸さんも紺野さんもジャケットを羽織ったままだ。

朝、慌ただしく出て行くのを見かけてから、紺野さんの姿はずっとなかった。

大田原さんの言葉通り、ちょうど今、取引先から社に戻って来たところなのだろう。

「本当ですよ。帰る途中で、紺野さんがこの前のイベントに参加してた企業の人と喧嘩初めちゃうし、貞子には待ち伏せされるし。本当に散々な目に遭いました」

紺野さんを見上げれば、一瞬目が合った。でもすぐに反らされてしまった。

「俺、昼飯入りまーす」

紺野さんに睨み付けられ、松戸さんはそそくさと姿を消した。

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