ひだまりHoney

おにぎりを差し出せば、紺野さんが嬉しそうに手を出してきた。

「誰と喧嘩したんですか?」

じっと見つめれば、おにぎりの下にある手がぴくりと揺れた。

「もしかして、リボンの……」
「……そう。あの熊男」
「なんでそんなことに」
「偶然街中で会って、顔を見たら、何かいろいろと腹立ってきちゃって」

紺野さんはふくれ顔で椅子に腰掛けると、おにぎりを早速頬張った。

「昨日の夜ご飯の残りですけど」

おかずの入っているお弁当箱を私の前から、紺野さんの方向へとずずっとずらした。

唐揚げとポテトサラダ。卵焼き、ブロッコリー……等々。いたって普通のお弁当である。

こんな事なら、もうちょっと力入れて可愛らしいお弁当を作るべきだったかもと後悔する。

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