ひだまりHoney

勇弥君の冷たい手が、私の首に移動する。

「むかつくから、その名前口にしないで」
「……うっ」

首を絞められ、気が遠くなる。

「分かった?」

動きを止めれば、男は満足そうな顔をした。

その手は胸を掴んでから、そのままスカートの下に移動する。

二度と触れて欲しくなかった手が、私の体を好き勝手に触り始めた。

「すぐに気持ちよくしてやるって」

涙が溢れた。

心の中で思い描いた紺野さんの顔もぼやけていく。

また遠くで、陽気なメロディが繰り返される。

次いで、ジャリッと小石を踏む音が聞こえた。

「なんでこんな所に……ひら、かど?」

声が聞こえた。

「お前!! 何してんだよ!!」

< 308 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop