ひだまりHoney
横に並んだ大田原さんを見上げ、私は一歩後退した。
「おっ。そうなんだ。行ってこい、平加戸」
「大田原さんと夕飯だなんて。高級なの食わせてもらえそうっすね……良いな」
「……はぁ? 食事会?」
紺野さんが目をキラキラと輝かせ、多分桃宮さんだと思われる人がごくりと唾を飲んだ。
そして作業していた女性二人の攻撃的な視線が、容赦なく突き刺さってきた。
「早く行こう、珠洲ちゃん!」
「み、美都里さん?」
私の腕に絡みつきながら、美都里さんが覗き込んできた。
「まずは二人よりも、何人かで行った方が良いと思いまして。他にも、あと二人ほど声を掛けました。エレベーター前で待ってますよ」
目の前の光景がくらりと揺れた気がした。