理想の恋愛関係
パーティーが行われるホテルまで、タクシーで向かった。


隣同士で座って、会話を交わす。


優斗君は最近は仕事も落ち着いて来たみたいで、以前より家に居る事が多くなったと言っていた。


お母さんは、少しだけ家事をするようになったと嬉しそうに言っていたけど、実際はいろいろ大変なんだろうなと思った。


私が優斗君の彼女ならもっと積極的に手伝うけど、今の状況じゃ出過ぎた事になってしまいそうで、心配だけどなかなか口出し出来なかった。


優斗君が相談して来てくれたらいいのに。


そうしたら、私は何だってやるのに。

優斗君の為なら……。


そこまで考えて、ハッとした。


これがいけないのかもしれない。


吉澤留美や相談女は、弱々しいところを見せて守ってあげたいと思わせるのに、そんな時に逆に相談にのっていたら逞しいと思われてしまう。


以前、

「緑さんは逞しいな。
一人で生きていける」


なんて言われてしまってるし、少しはか弱いところを見せないとまずいかもしれない。


そんな事を考えている内に、タクシーはホテルに到着した。

会場になってる部屋には、まだ人はそれ程集まっていなかった。


優斗君が話しかける相手に、私も愛想笑いを浮かべながら挨拶した。


そうしている内にだんだんと人は多くなって行った。


思っていたより、多様な職業の人が集まっている。


私も仕事のアピールをしたいところだったけど、今日は優斗君の付き添いだから、営業活動は控えないといけない。


少し残念な気持ちになりながら、なんとなく入り口付近を眺めていると、とんでもない人物が入って来るのを発見した。
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