理想の恋愛関係
女性は、お付きの男性を引き連れて、堂々とした態度で入って来た。


周りに居た人達が気を使うように道を開ける。


あのヤケに偉そうな態度は忘れられない。



―高柳 華子―


以前偶然会ったレストランで、優斗君を攻撃して来た女性だった。


彼女は優斗君を軽蔑するような目で見て、酷い事を平気で言った。


今日、もしこの前のような態度を取られたら……そう考えると心配になった。


優斗君は彼女が来る事を知っているのだろうか。


すぐにでも聞きたいけれど、優斗君は仕事関係の相手と話し込んでいるから無理だった。


私一人慌てている内に、高柳華子がこちらに気付いてしまった。


……完全に目が合っている。


私の後ろに居る優斗君にも、当然気付いているはずだった。


高柳華子はゆっくりと近付いて来る。


……どうしよう!


一瞬、悩んだけれど考えたって仕方なかった。


とりあえず、優斗君が一人になるまで時間を稼ごう。


せめて仕事の関係者の前で嫌みを言われるのは阻止しないと。


私はそう決心すると、高柳華子に自分から近付いて行った。
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