理想の恋愛関係
「緑さん、最近来ないけど、どうしたの?」


……え?
また話が、大分飛んだ気が。


でも……お母さんは私が遊びに行かなくなった事気付いてたんだ。


あまり会話も弾まなかったし、私の訪問なんて記憶に残ってないんじゃないかと思っていた。


電話をして来てくれた事と言い、意外にも私の存在が優斗君に近い人間として浸透していたんだ。


せっせと通って、アピールして来た甲斐が有った。

達成感に浸っていると、お母さんはまたゆっくりと話し出した。


「優斗も寂しがってるような気がするわ」


……それは絶対に無い。


なんと言っても優斗君から連絡を絶っている訳だし。


「具合が悪いのは寂しいからかもしれない」


それも……さすがに無いんでは。


仮に万が一優斗君が寂しく感じていたとしても、体調まで崩すとは思えない。


私なんて、もうかなり長い間強烈な寂しさに耐えているけど、風邪すらひかないし。


でも……お母さんの頭の中では、私が遊びに行かなくなった事で優斗君は元気が無くなり、体調も悪くなった。

だから心配していると言う事なのかもしれない。


それってかなり嬉しい事だ。


優斗君の恋人として認められた気がするし、それによく考えたらお母さんが優斗君を気にかけて行動するなんて凄い変化だと思う。


以前のお母さんは、自分の事で精一杯で、優斗君の事を考えている様子は一切無かった。


でも今は元気の無い息子を心配するようになっている。


……良かった。


お母さんはゆっくりだけど、変わって来ている。


優斗君にとってこれ程嬉しい事は無いと思う。

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