理想の恋愛関係
私は兄をキッと睨み付けて言った。


「今日は、何しに来た訳?」


せっかくの再会の日に邪魔をするなら、もう本当に許せない!


この前、言いそびれた文句を今日こそはっきりと言ってやる!

そう意気込んで兄に突進しようとすると、慌てた様子の優斗君に止められた。


「緑さん、落ち着いて。栖川さんとは一緒に来たんだ」

「えっ、どうして?」


優斗君の行動の意味が分からずに、私は眉をひそめた。


優斗君が答えるより早く、兄が割り込んで来て言った。


「俺が頼んだんだ。 緑と会うなら同席したいと」

「は? なんで?」


どうしてそんな大迷惑な事を?


少しは空気読んで欲しい。


私の不満に気付いたのか、兄は気まずそうな顔になりながら言った。


「お前に報告が有るからだ。俺の口から言いたかったが、お前は怒り狂って電話は無視するしキツい事ばっかり言うから」


……愚痴を言う暇が有るなら、サッサと報告とやらをして欲しい。


優斗君の前で余計な事言わないで欲しい。


そんな思いを込めつつジッと見つめていると、兄は私を見下ろして言った。


「緑、二ノ宮さんとの交際を認める」

「……」

「……緑、交際を認めると言ったんだが」

「……それで?」


冷めた目をしてそう言うと、兄はあからさまにうろたえた。


「そ、それでって、お前嬉しくないのか? もっと感動したらどうだ?」

「は? なんで感動? 散々邪魔しておいて、今度は久しぶりのデートについて来て邪魔してるくせに! 感動どころか怒りでいっぱいよ!」

「お、お前……今後は二ノ宮さんとずっと付き合っていけるんだぞ?」


……ずっと付き合う?


私は兄から優斗君に視線を移した。


優斗君は穏やかな目をして私を見つめていた。


胸がドキンと高鳴る。
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