理想の恋愛関係
「私は婚約破棄されて大恥かいたのよ。それなのに何の償いもしないつもり?」

「正式な婚約はしていませんでした」


冷たい声。


でも、自分でもどうしてここまで必死になっているか分からないけれど、どうしてもこのまま終わりたくなかった。


「状況的にはしてたも同然だわ。とにかく言う事を聞いてくれないなら私にも考えが有るわ」

「それは脅迫ですか?」

「そう思ってくれてもいいわ」



完全に嫌われるかもしれないけど、どっちにしても駄目なら後悔しない様にしたかった。


優斗君は深い溜息を吐いた後、諦めたように言った。



「期間限定で付き合っても俺は以前の様に緑さんの都合に合わせて行動するつもりは有りませんよ。今、そんな余裕は無いんです」

「いいわ」

「……それから前の様にプレゼントや豪華な食事も有り得ないんで」


付き合っても大切にはしないし、気を遣わない。


以前とは違うんだと言われてるようなものだった。


キツイ事を言って私を諦めさせたいのかもしれない。


でもここまで来て、そんな事くらいで諦める訳が無い。
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