今日私は死にました
「目的を果たす体重は45キロ以上。欲を言えばルイの身長なら50キロが理想。45以下なら会う気も無い。だって気持ち悪いもん。ただでさえ気持ち悪いのに、更に息耐えた気持ち悪い姿を見なきゃいけないこっちの身にもなってよ。」
「…………………。」
「とりあえず、42キロになったらまた連絡してよ。あ、でも勝手に他の相手見つけるならお好きにどうぞ?」
「………それはしない。」
こんな願いを叶えてくれる人なんているわけないじゃない。
脱いだ部屋着を上手く携帯を持ちながら着替えていく。
「じゃあルイ、君からの連絡を待ってるよ。」
まるで違う人間二人と会話している様なこの人は、
「名前……教えてよ。」
私の最期を見届けるなんて、この時はまだ疑心暗鬼だったね。
「雅巳。」
「まさみ、雅巳君ね。」
「ルイも僕も、男か女の名前かわからないね。じゃあまたね、ルイ。」
プツッ……プープープー
雲のようにコロコロ変わるその言動と、風のように去っていった雅巳君。
私は夕方に公園で一人取り残されたような子供のように、またねも言えないまま。