理想の恋愛
コンビニまであと半分ぐらいに差し掛かった時、突然後ろから声をかけられた。

「あー、実ー
どこ行くのー?」

俺はこの聞けば女とわかる高い声に思わず体が反応してしまう。
振り返ると、俺と同じ桜南高校の制服を着た女子高生が小走りでこちらに向かってきていた。

「わー!!」

その光景を見た俺は思わず声を上げてしまう。

「待て!止まれ!ストップ!」

俺の声に反応して女子高生は俺の2m程手前で緊急停止を試みる。
しかし、そのたぐいまれなる運動能力では緊急停止などできるはずもなく、あえなく俺に突っ込んできた。

女子高生は俺にのしかかる形で思いっきり転んできたのである。

普通の奴なら願ってもない状況なのだろうが、俺にとってはそんなこと言ってる場合じゃない。

「離れろ!今すぐ離れてくれー!!」

俺の悲痛な叫びも甲斐なく俺の脚と女子高生の脚はどういうわけか変に絡まっていた。


まずい
大量の冷や汗が。
こののままでは俺の意識が持って行かれる。

そう、皆さんも既にお気づきと思うが、これこそが俺の特異体質

女性恐怖症だ。

そして、たぐいまれなる運動能力の女子高生は水無月 麗(ミナヅキ ウララ)
俺の幼馴染である。

たぐいまれなる運動能力というのは決していい方の意味ではなく、極度の運動音痴という方の意味である。
この幼馴染の麗はルックス良し体型も良し、おそらくそこらへんの下手なアイドルなんかよりはずっとかわいいと思う。


「ごめーん、ちょっと待ってねー」

麗が脚の縺れを解こう試みる
が、

「あ、あれー?」

おい。
なんか余計にもつれてないか?
しかもなんか痛くなってきたぞ!

あぁ、もう限界だ・・。
俺は闇の中に意識を持って行かれた。
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