理想の恋愛
気が付くと俺はどこかの家のソファーに寝かされていた。

なんとなく見覚えのある場所だった。


「あー、
実、気が付いた?」

麗がソファーの近くで俺の様子を見ていた。


「あぁ。」

まだ少しボーっとしている。


「おぉ、実、気が付いたか。」

突然聞き覚えのある男子の声。

「あれ?
なんで和磨がいるんだ?」

男子の名前は斉藤 和磨(サイトウ カズマ)
俺と麗の幼馴染であり、俺の悪友でもある。

「いやー、姉貴にお使いを頼まれてさぁ、
コンビニ行こうとしたら道のど真ん中でぶっ倒れてるお前とその傍らできょどってる麗ちゃんが見かけたから、
これは例のあれだなと思ってな」

例のあれとはおそらく俺の女性恐怖症おことであろう。

「で、案の定お前が気絶してたから仕方なく俺が麗ちゃんの家までお前を運んでやったわけよ。」

なるほど。
ってことはここは麗の家か。

「よかったー。
目を覚まさなかったらどうしようって思ったんだよ?」

安心したように言う麗

「あぁ、二人には迷惑かけたな」

原因は麗にあったが、まぁ迷惑をかけたことには変わりがなかったので一応礼を言っておく。

「じゃあ、俺はお使いがあるから行くな」

「あぁ、ありがとな」

「いいってことよ。
それより今度ジュースおごれよ」

そういうと和磨はそそくさと出て行った。
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