理想の恋愛

プロローグ:絶好調!

 ゆで卵の授業…。厄介な授業がよりによってこんな時に。


 ゆで卵…本名は嶋田(シマダ) 真(マコト)42歳独身。C組の担任であり、漫画に出てきそうな程の超熱血教師で、一部の生徒と全教員から絶大な支持を受けているらしい。


「おい、実。置いて行くぞ?」
「あ、あぁ」


 俺は席替えの件はとりあえず今は置いておいて、先に歩き出した秀の後をあわてて追いかけて、更衣室に向かった。更衣を済ませた俺と秀はみんながすでに集まりだしているグランドに小走りで向かった。授業開始3分前。ぎりぎり間に合った。


 グランドにはすでに体育の授業で行うのだと思われるソフトボールの準備がすでに済まされていた。恐らくゆで卵が準備したのであろう。こういうところだけを見れば気の利くいい教師なのだが…。


 キーンコーンカーンコーン!


 授業始まりのチャイムが鳴る。ゆで卵は無駄に張り上げた声で挨拶をして授業の説明を始める。

 そこに…


「すいませーん!」


 一人の生徒があわてて走ってきた。よく見るとA組の生徒だ。どうやらトイレか何かで遅刻してきたらしい。


「ついてないな…あいつ」


 和磨が俺に小声で話しかけてくる。
< 23 / 51 >

この作品をシェア

pagetop