理想の恋愛

プロローグ:学園のマドンナとアイドル

現在、保健室には昨夜から不幸の連続で精魂疲れ切った俺と幸せそうに俺の隣でメロンパンを頬張る麗、それから何やら2人で話し込んでいる彩恵と多田の4人が居た。あの薄情者共が去った後、やっとの思いで麗を引き離した俺はまた気分が悪くなったので、とりあえずソファの上で少し休んでいくことにした。そして何故か麗も俺の付き添いで俺の横に腰掛けていた。


「そう言えば、何でお前ら彩恵と一緒に来たんだ?」
「ふん、ほのほね…」
「まず、口にあるものを飲み込め」


そのまま話されても話が通じん!麗は慌てて口に含んでいたものを流し込み。


「彩恵ちゃんも実に用があったみたいだよ? わざわざ、うちのクラスまで来て実を探してたもん」


それを聞いた俺は慌てて携帯電話を確認する。確かに彩恵から何通かのメールと着信が数件来ていた。どうやら俺が意識を失っている間にきていたものらしい。


「そうか、それで一緒に来て今は多田と話し込んでいると…」
「あの2人って仲いいよねぇ」
「そうだな…。」


学園のマドンナとアイドルの会合か…。

北原(キタハラ) 彩恵(サエ)。俺たちのグループの1人で桜南高校人気女子堂々のNo.1の学園のアイドルである。
流石アイドルと言われるだけあって容姿端麗で多田と同レベルのスタイル。性格は…一応、清楚で通っている。因みに俺と彩恵は高校1年からの付き合いである。


それにしてもえらく話し込んでるな…。多田と彩恵の会合はなかなか終わらず、もうすぐ4限目が始まろうとしていた。


「麗、次の授業は何だった?」
「え? 確か…英語だったかな?」


英語という事はバーコードか…。あいつは遅刻したら面倒だからな…。


「麗、お前先に教室に戻ってろ」
「え? 実は?」
「俺は彩恵の要件が済んだらすぐに行くから」
「うぅー…、わかったぁ」


 まだ何か言いたそうな顔だったが渋々一人で教室に戻っていった。
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