高校生ー揺れる関係ー
「有紗?ちょっと隣いい?」
と、私は、後ろの方の席から教卓の近くにいる有紗の傍に近づき、有紗の隣を指差した。

有紗は、ただ頷いた。
私は、それを見て、有紗の隣に座った。
「有紗…お疲れ様。
よく頑張った!
で、納得いく答えは出せた?」

「ダメだった…
むしろ、冬馬、私の話まるで聞いてくれなかった。」

「そっか…。
ねぇ?有紗。
泣きたいなら、泣いていいんだよ?
私の前では強がらないで。何のために歩達を出したか分かるでしょ?」

「うん…分かるよ。
ヒック…歩夢…私、どうすればいい?
もう分かんない、分かんないよー。」
と、有紗は、泣き出した。
しかも、隣の私に泣きつきながら。
私は、ただ泣いてる有紗に振り向かず…背中をさすった。
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