ナギとイザナギ
「拾った、だって。いったい何をどこで拾ったのさ、さぎり」
イザナギさんの不本意な命令で、さぎりを迎えにいき、僕の家に向かっている途中でさぎりが教えてくれたことがあった。
「この置物、海岸で拾ったの。神様の像みたいなんだけど、イザナギさんに似てたから、つい」
といって、見せてくれた小さめの彫像をバッグから取り出した。
その像は、肩に鷹を乗せて、弓を手に持った、立派な角髪姿の凛々しい、古代の貴族像だった。
「へえ。これがそこらに落っこちてる時点で、理解不能だよ」
「高そうな像でしょ。落とし主がいたら、探してるかもしれないし、でも学校があるから帰りにしようと思って、交番へ届けるの、忘れてたの」
「拾得物はすぐ届けないと、窃盗罪になるんだよ、さぎりぃ」
「ごめんなさい。私だって、すぐにでも届けたいわ」
でもまぁ、アタッシュケースに入った現金というわけでもないし、像をちょっと誰かに見せてからでも、いいだろう。
僕とさぎりは、急いでイザナギさんに見せることにした。
イザナギさんの不本意な命令で、さぎりを迎えにいき、僕の家に向かっている途中でさぎりが教えてくれたことがあった。
「この置物、海岸で拾ったの。神様の像みたいなんだけど、イザナギさんに似てたから、つい」
といって、見せてくれた小さめの彫像をバッグから取り出した。
その像は、肩に鷹を乗せて、弓を手に持った、立派な角髪姿の凛々しい、古代の貴族像だった。
「へえ。これがそこらに落っこちてる時点で、理解不能だよ」
「高そうな像でしょ。落とし主がいたら、探してるかもしれないし、でも学校があるから帰りにしようと思って、交番へ届けるの、忘れてたの」
「拾得物はすぐ届けないと、窃盗罪になるんだよ、さぎりぃ」
「ごめんなさい。私だって、すぐにでも届けたいわ」
でもまぁ、アタッシュケースに入った現金というわけでもないし、像をちょっと誰かに見せてからでも、いいだろう。
僕とさぎりは、急いでイザナギさんに見せることにした。