ライトグリーン・スカイ
「怖くない?」

最初に出て来た言葉がこれだった。答えはもう分かり切っているのに。

「うん」

やっぱりね。怖くないって言う人の方が少ないと思う。

なのに表情と答えが矛盾している。怖ければ、笑ったりなんかしない。強がらないでよ。

「バカ」

「何でそうなるかな…?」

「バカだからバカって言ってるの」

無理したって苦しいだけなのに、それを我慢しているから。

少し強めの口調で言ったから、少しは私の気持ちが伝わっていると良いな…なんて。自惚れてるかな?

「……?ま、良いけど。渡したい物があるんだ」

「私もあげたい物があるの」

「昨日貰ったけど…?」

「それとは別!」

尋が渡したい物。それはきっと最後の誕生日プレゼントの事。

何でもかんでも最後なのは悲しい。
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