その指に触れて
「……まさか、つけてたとか?」


まさかとは思ったけど、一応口にしてみる。


ここは閑静な住宅街の中だ。普通に見つけ出すのは無理があるだろう。


「ち、違うよ。外に出たら万梨ちゃんと男が一緒に帰るのが見えて、その時ゴミ捨ての帰りだったんだけど、ごみ箱持ったまま二人の後をついてって、そしたらここに入ってったからまずいなとは思ったんだけど、ごみ箱持ってたからいったん学校戻って、ここに戻ってきたんだけど、ここに鍵かけられてたから入るに入れなくて、そしたら万梨ちゃんが痛いって叫んでて、まずいと思ったけど助けられないし、それでずっとここにいて、それで……」

「それ、ほぼストーカーでしょ」


ていうかあたしの声、外まで聞こえてたんだ……。


なんだかすごく恥ずかしい。


あたし、やられてた方だけど。


「あんたね、そこまでわかってたらごみ箱なんて捨てて助けに来なさいよ。あたしが妊娠したらあんたのせいだからね」

「いや、ごみ箱は学校の備品だから、そんな捨てるなんて……って、俺、学校中退とかすんの? せめて大学には行きたかっ……」

「冗談に決まってるでしょ。ほんとバカだね」


慌てる遥斗を見て、肩を竦めたら笑えてきた。


関係のない遥斗を巻き込むほど、あたしはバカじゃない。


< 151 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop