その指に触れて
「……はあ」


目が覚めた瞬間、ため息が漏れた。


裸の体に冷たい床が触れて寒かった。


晃彦は既にいなかった。


腰が痛い……。


あたしは腰をさすりながら体を起こして脱がされた制服を身に纏う。


自業自得、か。


あたしもだな、それ。


晃彦はたぶん、もうあたしのことは好きではないだろう。


自分勝手なさっきのあれと、あたしを置いて帰ったのがいい証拠だ。


好きって言うから受け入れたのに、結局自分がやりたかっただけじゃんか。


でも、遊ばれたと嘆く気はない。


あたしだって、晃彦を利用したようなものだ。


その結果がこれ。


「今、何時よ……」


窓から見えるのは、既に真っ暗な空。


さっきはまだ明るかったから、だいぶ寝ちゃってたのか。


早く帰らないと。


「……七時、半だよ」

弱々しい声が頭上から降ってきた。顔を上げて、あたしは絶句する。


「遥斗……」


なんでこんなとこにいるの?


< 150 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop