この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
そんなことばかり考えているものだから、仕事中もボンヤリして橋倉さんにドヤされる。
「もぉ~神埼さん。このパンフレット阿弥陀産業に送っといてって言ったでしょ? 何やってんの?」
「あ……すみません」
「これは私がするから、あなたは、この書類のコピーしてきて」
「……はい」
仕事に対する意欲ゼロ。ため息をつきながらコピー機に向かうと故障中の張り紙がしてある。
近くのデスクに座る若い男性社員に尋ねるとコピーは第2フロアのを借りに行ってるとのこと。仕方なく隣のフロアにお邪魔して、コピーをとらせてもらっていると――
「よう! 桃尻ちゃん、久しぶりだね」
聞き覚えのある声にビクッ!
「あ、見つかっちゃった?」
一応、愛想笑いをしながら、そう答えると「見つけちゃったよ~で、もうケツは治った?」って言いながら、私のお尻をナデナデ。
「うぉ~っ!」
「うんうん。相変わらず、いいケツしてんな! 桃尻最高!」
「止めて下さい!」
コイツ、尻フェチか?
「おぉ~怖え~そんな嫌な顔すんなって。また沢村部長に怒鳴り込まれたら堪んねぇし、今日はこのくらいにしとくか……それで、ヤツとはウマくいってんの?」
「はぁ~なんのことですかー?」
「すっとぼけんなよ。桃尻ちゃんと沢村部長はデキてんだろ?」
いきなり直球かよ?
「なんのことかさっぱり分かりません!」
そう言ってプイ! っと顔を逸らすと何を思ったのか、私の肩を抱き、耳元に息を吹きかけてくる。
ひぇ~…そこ、私の弱いとこ……
不覚にも感じてしまい、クネクネ状態。
コピー機の置いてある場所は他の社員からは死角になってるから、赤毛ヤローはやりたい放題だ。
「なぁ、沢村部長と寝たんだろ? アイツのナニ、デカかった?」
「なっ……」
ズコーン!
気付くと私は、赤毛さんの頭を容赦なくグーで殴っていた。