この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「ねぇ、一つ質問してもいい?」

「なんだ?」


いきなり顔を上げる銀之丞とやらに不覚にもドキッとする。


何度見ても、いい男だ。


「あ、あの、アンタ、どっから来たの? お金も持ってないみたいだし、今まで何してたのよ」


すると、またどこかを指差す。その先には、ひと際高く聳え立つビルがあった。


「あれって、超リッチな高級ホテルじゃない?」

「そう、昨日まで、あのホテルのスイートルームに泊ってた」

「はぁ~? 何言ってんのよ。60円しか持ってない人間が、あんな高級ホテルのスイートに泊れる訳ないじゃない」

「なぜそうやって決めつける? 宿泊した料金を支払ったから金が無くなったんだ。俺は確かに一週間、あのホテルに泊っていた」


その若さでスイートに一週間?


にわかには信じられなかったけど、一応、聞いてみた。


「で、いくら払ったの?」

「んっ? 999,940円」

「残金が60円ってこは……ゲッ! 100万持ってたてこと?」


今、私、暗算ど早かった……そっちにビックリ!


「あぁ、急いでたから、そんだけしか持ってこれなかったんだよな~お陰で一週間で無くなっちまった」

「そんだけって……」


100万だよ! 100万!


コイツ、怪しい。めっちゃ、怪しい……でも、すっごく興味出てきた。コイツの正体が知りたい。


そこから私の質問責めが始まった。


どうやら金持ちのボンボンで、お気楽な大学生だと……が、親と喧嘩して家出してきたみたい。


「ふーん。で、どこの大学?」

「東京大学」


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