この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「ハナコとネットで出産予定日の算出の仕方を調べてた時、ハナコのヤツ、震えてた…泣きそうな顔して、必死で涙を堪えてた。
俺でもショックだったんだ。幼いハナコはどんなに動揺したか……
俺は夢中でハナコのこと抱きしめてたよ。これからはずっと、ハナコの傍に居てやるって言ってな。そんなことくらいしか出来なかった」
目を伏せ、銀が苦悩の表情を見せる。
私のせいだ……私が黙ってたから、銀も華も傷つけてしまったんだ。
「……ごめんなさい」
その言葉しか言えない。
「その時だ」
「えっ?」
「ミーメと結婚しようと決心したのは……」
銀……
「ミーメとハナコを守れるのは、俺だけだからな」
話し声と笑い声が入り混じる社員食堂で、向かいに座ってる銀が真っ直ぐこちらを見つめ、スラリとした長い指で私の指に触れる。
そして、静かにお互いの指を絡め合った……
彼の優しい眼差しが微笑むと私の視界はぼんやりと滲み、熱いモノが頬を伝う。
「銀、ありが……とう」
「バカ、こんなとこで泣くな。周りのヤツらが変に思うだろ?」
「だ、だって、嬉しくて……。私、華のこと産んで良かった」
そう言って銀の手を握り締め涙をぬぐうと銀は変わらぬ笑顔で囁く。
「でもな、ハナコの父親が俺で良かったんだぞ。この完璧な俺だから、ハナコのショックも最小限に抑えられたし、納得もしたんだ」
「はぁ?」
「そりゃそーだろ? 俺が父親ということになんの不服がある? あるワケ無いだろ?
だいたい、俺に短所なんて無いんだからな! 俺以上の父親なんて、この世に存在しねぇし」
「あ、あぁ、そうかも……ね」
一応、話しは合わせておいたけど、その自分に対する絶対的な自信は、どこからくるんだろう……
私は思う。きっと、それが銀の短所だ。