この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「次の日の朝、目覚めたらミーメは居なかった。だから俺はボロアパートへ行ったんだ。そうしたら、大家だっていうヤツが部屋に居て、ミーメは出て行ったって言いやがる。

探したんだぞ……必死で探した。でも、お前はどこにも居なかった」

「銀……」

「もしかしたら、またマンションに来るんじゃないかって、何ヶ月も待ってたがミーメは現れなかった。お前はもう俺のこと忘れたんだと思って諦めたさ。で、何もかも嫌になってイギリスに留学した」

「銀、私……銀に彼女が出来て、私のことなんて忘れたんだと思ってた」


「とんだ勘違いだな……」そう言って銀は苦笑いを浮かべる。


そう、私たちは想い合っていた。なのに、ほんの小さな勘違いから離れてしまったんだ。


運命のイタズラ……


「でもまさか、あの時にデキたのがハナコだったとはな〜」

「えっ! そこまで知ってたの?」

「当たり前だ。いつ仕込んだガキかくらい、ハナコの誕生日から逆算すれば分かるだろ? 見事にビンゴだったぞ」


やっぱりな……さすが銀だ。


「はぁ~っ、それで華が自分の子供だって分かったんだ」

「……いや、違う」


心なしか、銀の機嫌が悪くなった様な気がする。


「ミーメ、お前、俺を殺したろ?」

「へっ?」

「ハナコの誕生日、風呂から出て部屋でハナコにパジャマを着せてたら、ハナコのヤツ、またミーメが仏壇の水をかえてないって騒ぎ出して……ハナコの父親の話しになったんだ。

どんな男なんだって聞いたら、ハナコは父親の名前も知らないなんて言うし、変な話しだと思ってたら、位牌の裏に本当の名前が書いてあるからって、かまぼこ板を俺に渡して見てくれって言ったんだ」

「ひゃ~マジ?」

「夜露死苦の裏に書いてあったよ。"沢村銀之丞"ってな!」

「それは~その……ほんの冗談で……」

「冗談で殺されたら、たまらん!」

「あ~ん、ごめんねー」

「ったく……それでピンときて、ハナコの誕生日で確認したんだ」


そうだったのか……納得。

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