この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「うめぇ~な、このエビフライ」


上機嫌でお弁当を食べてる銀之丞。


バイトが終わり、アパートに帰った私達は、揚げたての大きなエビフライという近年まれにみるご馳走に舌鼓。


銀之丞が総菜を全部売ってしまったら、いつも貰ってた売れ残りのお弁当が無く、桃ちゃんが銀之丞のバイト代の代わりにとこっそりエビフライを揚げてくれたんだ。


こうやって家で食べる夕食はいつ以来だろう……温かいご飯とおかずも久しぶりだ。なのに私は食欲がない。


「どうした? 全然、食ってないな。腹でも痛いのか?」

「そんなんじゃないよ……」


そう、腹なんか痛くない。痛いのは心。


「これ、欲しかったらあげる」


残りのおかずを銀之丞に差し出すと彼は探るような視線で私を見る。


「悩んでることでもあんのか?」

「別に……」

「言ってみろ。俺に出来ることだったら力になるぞ」


初めは渋ってた私だったけど、優しい言葉にホロリときちゃって、つい話してしまった。


「私ね、高校辞めることになるかも……」


その言葉を聞いた銀之丞の反応にビックラコ!


「バカなこと言ってんじゃねぇぞ! 高校辞めるってどういうことだよ!

いいか? 今はそれでいいかもしれねぇが、将来お前がやりたいことが出来た時、高校も卒業してなかったらチャンスも貰えない可能性だってある。

後で後悔しても遅いんだ。とにかく、何がなんでも高校だけは卒業しろ!」


銀之丞……凄くまともなこと言ってる。


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