この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
慌ててキッチンに行くと部屋の隅でジッとしてるゴキちゃんを発見。私は素早く百均で買ったハエ叩きを取り出し、一撃で仕留めてやった。
「ミーメ……」
振り返ると目をウルウルさせた銀が私を尊敬の眼差しで見つめている。
「お前ってヤツは……」
「うわっ!」
ナント! 突然、強く抱きしめられた。
「ぎ、銀?」
「よくやった。ホント、お前は最高だ!」
「あ、いや、それほどでも……」
「俺はお前みたいな女を探してたんだ。ゴキのヤローを見事に一発で撃沈させるなんて、お前は奇跡の女だ!」
なんか大絶賛されてるみたいだけど、あんまり嬉しくないのは……なぜ? でも、この感じ。悪くない。
銀の腕の中でそっと目を閉じる。彼の鼓動が伝わってきて私の鼓動と重なり合う。
ずっと、こうして欲しかった。なのに……
「ゴキもお陀仏したことだし、寝るとするか」
私を突き放し、ご機嫌で布団に向かう銀。
えぇ~続きはないの?
そして、またいつも通り変わらぬ日々。が、新たな問題が発生した。
お母さんの置手紙には、毎月生活費を振り込むと書いてあったのに、この3ヶ月間、一度も振り込みがない。
銀とふたり合わせたバイト代では家賃と光熱費を支払うのがやっと。ひもじい生活が続く。
「ホントにその通帳なのか? 他の通帳じゃねぇのか?」
居候のくせに、銀が偉そうに私に意見する。