この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
食い入るように履歴書をガン見してる私の背後から、バーコードさんがニュッと顔を出す。
「わわっ!」
「日本に住んでなかったのに、綺麗な字を書きますね」
「あ、いや、その……」
「沢村部長もお上手ですが、それ以上だ」
あ、もしや、コレ書いたのは、銀? でも、どうしてそんなこと……
「ここだけの話しですけどね……」
そう言ったバーコードさんの目つきがイヤらしい。
「はい、なんでしょう?」
「君の採用は、面接する前から決まってたんですよ」
「へっ?」
「沢村部長が、どうしても君を採用したいって言ってね、もしかして……」
「もしかして?」
「沢村部長と君、留学先で……ムフッ?」
「ムフッ? とは?」
バーコードさんが言いたいことは大体想像ついてた。でもこの場合、すっとぼけるのが最善の策だと思ったんだ。
「ぎ……いぇ、沢村さんとは何もありませんから!」
「あ、そう」
「残念そうですね?」
「いや、そうですか……女嫌いで有名な沢村部長がもしやって思ったんですけど……まぁ、その方がいいですけどね。我が社は社内恋愛は禁止ですから」
「社内恋愛……禁止?」
この平成の時代に、そんなこと禁止してる会社があるとは驚きだ。さすが大企業。妙に感心してしまった。
「くれぐれも気をつけて下さいね。もし、社内恋愛がバレたら……」
「バレたら?」
一応、気になる。
「お仕置きしちゃいますよ!」
「お、お仕置きって……何されるの?」