actually
営業などに使うであろう資料が入っているカバンから何やらシールを取り出す
それは手のひらほどのサイズ
それをなに食わぬ顔で、手のひらにシワにならないよう丁寧に張り付ける
「よし、準備完了」
そう言うと、今度は目的地がしっかりしているのかスタスタと歩いていく生田目
着いた先はエレベーターから一番遠い部屋
そこのドアを開けると、中心に大きな四角いテーブルにプラスチック製の椅子が数脚、会議室のような部屋である
先程までのおどおどした彼女は何処へ行ったのやら、とても落ち着いた様子で部屋へ足を踏み入れた
「・・・右奥から手前に二メートル、左に四メートルっと。あー、これね」
しゃがみこんだ彼女がすっと指を滑らすそこには注意深く見ないと分からないほどの不自然な溝が入った床
溝はコの字型をしている
生田目は再びバックを漁ると今度はラバーカップ(排水口が詰まったときに使用する先端がゴム状の掃除用具)を取りだし、コの字の中心に部分に張り付かせる
そしてそれを思いっきり引っ張るとそこは扉のように開いた
少し驚きの表情を浮かべる生田目
「本当にこんなもので開くんだ」
その扉は一人が通れるほどの大きさで下へと続く梯子が見受けられる
しかし下の方は暗くてよく見えない
今度はペンライトを取りだし口にくわえると生田目は梯子を降り始めた。
勿論扉は閉めて
カンカン、カンカン
やたら響く鉄とパンプスがぶつかり合う音
回りに人の気配が無くとも肝を冷やす
(そういえばソラはこう言う緊張感が良いとか言ってたっけ)
「私もそのうち慣れるかしら」
ときどき立ち止まり、下をペンライトで確認して、また降りて。
そして行けども続く闇、
こんな作業を繰り返すうちにようやく床が見えてきた。