actually

床にようやく降り立つと、まず人の気配を確認。

先程までいた所と同じく全く気配を感じない

真っ暗な通路には少し不気味さを感じさせる


生田目は再びピアスに触りながら言葉をつむぐ

「着いたよ。何処行けばいいの?」

『えーとねー、そこから真っ直ぐ10メートル進んで左に、次は13メートルくらいで左に行って、5メートルでもう一回左~』

静かな空間に微かに聞こえる間の抜けた声

それに耳を傾けながらペンライトで足元を照らし言われた通りの道を辿っていく

「わかった、ありがとう」

『それにしても順調だね』

「そうね、あなたが打ち合わせ通り情報操作してくれたお陰だね」

『人間って言うのは時間通りには動かないものだよー。気抜かないでねー』


「気なんか抜けないよ。あ、着いた」

ここまでくるのに幾つか見たものと同じ形状の扉

試しにドアノブを握ってみると鍵がかかっていないことに気付いた

「鍵がかかってない」

『えー、それはおかしいね。ここはこの会社の重要な場所。鍵をかけ忘れるなんてあり得ないよー。

じゃあ、ピッキングで一回閉めてからもう一回開けてみて?』

「分かった」

四次元ポケットのように何でも出てくるバックから今度はピッキング用具一式を取り出すと早速仕事にかかった

カチャカチャと複雑に曲がりくねった棒でなかをかき回すとカチリという音
そして再び同じことを繰り返すとまたカチリという音がした

「出来た」
『じゃあ入っても大丈夫だと思うよ。でも嫌な感じがしたらすぐに逃げてね』

声に出さず、ただ頷くのは本当に緊張しているのかもしれない

生田目はゆっくりとドアを引く
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