かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
お母さんが帰るなら、あたしも一緒なのかな、と思って聞いてみると、あっけらかんとした口調でそう言われ、ちょっと面食らう。

家に帰るのは、遅くとも新学期が始まる前日まで、という制約はあるものの、あたしを信頼して残らせようとしてくれているであろうお母さんの言葉は、それでも、素直に嬉しい。


間宮さんは、今ごろは寝ているか、起きていたとしても、あたしが起こしに行くまでは寝ていたふりをするような気がするため、あとで「お母さんがよろしくと言っていた」と伝えよう。

おそらく間宮さんは、あたしたちに気を使わせないために、いつも通りの時間に起こされ、いつも通りの不機嫌で平坦な言い方で、やいやいと小言を言うに違いないのだ。

あたしは、昨夜の間宮さんの、ポーカーフェイスが崩れた姿を見てしまったことを知らないことになっているのだ、そのほうがいい。

……と、思う。


「それにしても、あんまり寝ていない顔ね。なかなか眠れなかったとは思うけど、あの子たちのことは、菜月が気を揉んでも、ある程度は仕方がないことに思うのよ。だから、ご飯を食べたら、ちょっと休みなさいね」

「うん」


返事をしながら、目の縁を指でなぞる。
 
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