かけぬける青空は、きっと君とつながっている
以前から、たまの家族揃っての食事などの際、秀斗の話には度々登場していたかもしれないけれど、今まで一度も会ったことがない俺なんかのために、家族揃って、こんなにも俺の気持ちに寄り添った形で対応してくれるなんて……。
どう考えても俺は恵まれすぎている、と思う。
秀斗は、お互いのためにもう会わないほうがいい、と啓太の母親に言われた辛い思い出があるというのに、似たような境遇になってしまった秀斗の家族は、俺にとことん優しかった。
「思い出したときにでも、ちょっと寄っていってね。私たちが知らない秀斗のこと、聞かせてもらえると、とっても嬉しいから」
「秀斗の話でもしながら、酒を飲もう」
両親ともそう言って俺を見送ってくれ、姉も、大事な写真を一緒に旅に連れて行ってほしいと言って、わざわざ車まで届けに来てくれた。
俺に対して、それぞれに思うところはあるはずで、気持ちが割り切れない部分も多いはずなのだが、そんな中であっても、俺ごときに親切にしてくれ、遺書と写真を託してくれたことがとても嬉しく、また、あらゆる意味で重い……。
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そうして、2011年の夏は静かに過ぎていき、夏の終わりとともに、俺は19歳になった。