俺様編集者に翻弄されています!
「おい、なにニヤニヤしてんだ? 気持ち悪い」


「ぅわあぁ!」


 突然降ってきた低い声に、妄想も吹っ飛んでしまい現実に返る。


「氷室さん……?」


「ほら、絆創膏。貼ってやるからじっとしてな」


 氷室はそう言いながら否応なしに悠里の足を掴んだ。


「あの、私……今すごい間抜け面してました……よね?」


「いつもだろ」


「うぅ……」


 声にすらならない奇妙な唸り声をあげて、悠里はふるふるしながら氷室を見た。


「よし、これでOK 悪い、これから北村さんと一緒に会議に出なきゃならない」


 絆創膏を貼った上からぴしっと気合を入れるように足を叩くと、氷室は少しバツが悪そうに言った。


「じゃあ、私はこれで……ありがとうございました。原稿進めておきます」


「あぁ、いつでも俺が取りに行けるようにしといてくれ」


(……え? 取りにけるように? とは一体―――)


 


 


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