俺様編集者に翻弄されています!
第六章 蘇るトラウマ
Chapter1
とある日の午後―――。
(まだ原稿の修正返事来てないや……急いでるんだけどなぁ)
悠里はひとり、部屋でパソコンに向かってため息をつきながら突っ伏した。
最近の氷室はめっぽう忙しいらしく、急ぎの返事も翌日になってからということが増えた。
氷室の話しでは、平気で締切を破ったり、漢字変換の修正を断ったり、とにかく我が儘で悪名高い作家、後藤エミリーの担当を任されて以来、余計な仕事が増えて手が回らないということだった。
エミリーはもう四十過ぎたいい年の熟年作家で、執筆すれば必ず売れる保証付きだ。多くの出版社から執筆依頼が殺到してるからといって、天狗になってると影では言われているが、やはりこの業界は実力が物を言う。
(電話してみようかな……)
悠里は携帯を手に取ると、氷室の番号を呼び出した。
(まだ原稿の修正返事来てないや……急いでるんだけどなぁ)
悠里はひとり、部屋でパソコンに向かってため息をつきながら突っ伏した。
最近の氷室はめっぽう忙しいらしく、急ぎの返事も翌日になってからということが増えた。
氷室の話しでは、平気で締切を破ったり、漢字変換の修正を断ったり、とにかく我が儘で悪名高い作家、後藤エミリーの担当を任されて以来、余計な仕事が増えて手が回らないということだった。
エミリーはもう四十過ぎたいい年の熟年作家で、執筆すれば必ず売れる保証付きだ。多くの出版社から執筆依頼が殺到してるからといって、天狗になってると影では言われているが、やはりこの業界は実力が物を言う。
(電話してみようかな……)
悠里は携帯を手に取ると、氷室の番号を呼び出した。