俺様編集者に翻弄されています!
 昔、まだ小説家の駆け出しだった頃、興味本位で偵察に行った書店で実際自分の小説を手にしている何人かの学生を見た。

怖いもの見たさにこっそりと客を装い、聞いた会話の内容が自分の小説の酷評や中傷だったために妙なトラウマができてしまった。

それからネットでも自分の小説のレビューを見るたびに一喜一憂して、一時期スランプに陥ったこともあった。


(あの時はどうやって抜け出したんだっけ……)


 小説が売れてくるとスランプなんて陥ってる暇などないくらいに忙殺された。だから、その時のスランプからどう立ち直ったかなんて覚えてない。

 そんなことをあれこれ考えているうちにターミナルの駅についた。
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