俺様編集者に翻弄されています!
「おい! とっとと起きろ!」


「っ!? ふぎゃっ」


 怒気を含んだ低い声とともに、鼻をぐいぐいとつまみ上げられて、悠里はほんわか夢想から無理やり三次元に引き戻された。

「……あれ?」

 悠里はズレた眼鏡をかけ直しながら、人の気配を感じて見上げた。

 そこには―――。

 見開かれた目の前には口をへの字に曲げて、眉間にも皺が若干寄ってはいるが、それでも洗練された端整な顔立ちの男が悠里を覗き込んでいた。
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